トライアスロンレースは、毎年日本各地で開催されています。
遠方のレースに出てみたいな、と誰しもが思うことですよね。でも、自家用車で遠方まで行くのは限界がありますので、輪行(電車やバス、飛行機などでのロードバイクの持ち運び)ができると便利です。
私はロードバイクを買って3年で、全くの未経験から、今まで何度もバス(路線・高速)、電車(地下鉄・新幹線)、飛行機(国内線・国際線)での輪行を経験しました。
ここでは、初めての方向けのロードバイク輪行のポイントをお勧めします。
ロードバイク輪行の6つのポイント
- 行き方を考慮して、出場する大会を決める
- 使う公共交通機関が輪行OKか確認する
- バイクの前後輪の取り外し・装着をできるようになる
- 乗る公共交通機関に応じた輪行袋を準備し、ロードバイクを収納する
- 当日、注意して輪行する(輪行上の注意点)
- 番外編・こんな方法で輪行しちゃダメ?
1.行き方を考慮して、出場する大会を決める
まずは、行き先(出場レース)と行き方(飛行機、長距離バス、新幹線…)を決めます。
輪行はロードバイクをかついで移動するので体に負担がありますし、人にぶつからないようになどと気も使います。この疲れは確実に、当日のレースに影響します。
実際私はほぼ毎回、輪行の翌日のレースではスタート前から肩が凝っています。
ですので、輪行する場合は、出場レースと行き方を熟慮し、できる限り「バイクを持って歩く距離」を減らしましょう。
例えば、隣県のレースに、「家から路線バス→電車2回乗換→徒歩15分→ホテル一泊→徒歩15分→電車→路線バス→レース会場」というルートで出場するより、遠方のレースに、「家から路線バス→新幹線3時間→電車→駅近くのホテルに一泊→ロードバイクで15分→レース会場」というルートで出場したほうがバイクを担いで歩く距離が少なく済み、レース当日の疲労は小さい、ということもあります。
ホテルも、安いからと例えば駅から徒歩10分のところを選ぶと、持って運ぶだけでクタクタになります。駅にロードバイクを預かってくれる場所もなかなかありません。
少ない乗り換えで行けて、駅から近い会場のレースを選択しましょう。
ホテルは、駅近くのホテル(徒歩2分など)、レース会場近くのホテルなどを予約して、歩く距離を減らしましょう。
山の中にレース会場がある場合、現地でレンタカーを利用したほうがいい場合もあります。よく検討して、決定しましょう。
2.使う公共交通機関が輪行OKか確認する
1.の一部になるのですが、利用する公共交通機関の輪行ルールについては、事前によく確認しておきましょう。ここでは、大雑把な傾向を説明します。
路線バス、在来線の電車、地下鉄
きちんと輪行袋に収納していれば、基本的にはそのまま持ち込みOK。念のため公式サイトで確認しましょう。マナーの範疇ですが、通勤で混む時間は避けましょう。
バスの時は乗る前に運転手さんに「自転車を乗せます」と声をかけるといいかもしれません。
タクシー
基本的には輪行OKです。事前に予約をするときには、「前後輪をはずし、輪行袋に入れたロードバイクを乗せます」と伝えましょう。トランクにいれてくれます。
シーコン製など大型の輪行袋の場合は、サイズを伝えましょう。必要に応じて大型の車を配車してくれたりします。
新幹線
線によって異なるので、事前に確認しましょう。
東海道・山陽・九州新幹線では、基本的に「特大荷物スペースつき座席」の指定席を予約します。
≫JR東海 東海道・山陽・九州新幹線への特大荷物のお持ち込みについて
自由席にも特大荷物スペースがあるという話もありますが、埋まっていたら使えません。もちろん、通路に置くのも迷惑です。そして、輪行は疲れます。座りたいです。
何も考えずに指定席の特大荷物スペースつき座席を予約しましょう。
北海道新幹線・東北新幹線・北陸新幹線などでは、特大荷物スペースつき座席の設定はないそうですが、同様に最後尾座席の後ろや、荷物置き場に置くことができるようです。
公式サイトなどでご確認ください。
また、帰省ラッシュ時などの、混雑する時期は避けましょう。
高速バス
会社によるので事前に確認しましょう。
高速バスは、自転車持ち込み全面禁止、別料金が必要、などバス会社、線によって方針が異なります。
荷物を預けるスペースには限りがありますので、事前に公式サイトで確認し、予約の際に必ず「輪行袋に収納したロードバイクを乗せます」とひとこと伝えるようにしましょう。
むりやり当日持ち込もうとしても断られる可能性があります。また、そのような無茶なサイクリストがいることで、将来自転車持ち込み全面禁止になってしまうこともあり得ます。
飛行機
飛行機も、会社によります。
私の経験では、国内線・国際線、日本の航空会社・海外の航空会社問わず、既定の重量内ということで普通に手荷物として追加料金なしで載せられたところもありました。
一方、LCCなどでは、「スポーツ用品」として別料金が必要になる場合もありました。
≫JAL 国際線で手荷物として自転車は運べますか。
≫ANA 自転車・スポーツ用品(国内線)自転車・スポーツ用品のお預けについて
≫peach サービス・座席・手荷物 自転車を預けられますか
航空会社によって異なるので、事前に確認しましょう。
また、飛行機にロードバイクを預けて破損した場合は、基本的に補償の対象外になります。心配な人は、保険の加入を検討するとよいでしょう。
≫お手荷物の不具合について(破損・紛失・お忘れ物)
≫三井住友海上 【海外旅行保険】自転車は携行品の補償対象になりますか?
3. バイクの前後輪の取り外し・装着をできるようになる
輪行袋には、基本的に前輪・後輪ともに外して収納します。つまり、前後輪を取り外し・装着をできるようになっておく必要があります。
前輪の取り外しはとても簡単ですが、後輪はチェーンがあるので、取り外し・装着は少しコツがいります。
「ロードバイク 後輪 取り外し」などで検索し、下記などの動画を見てレース日より前に練習しましょう。
≫Youtube「ロードバイク 後輪 取り外し」検索結果
特に初めての輪行の際は、レース前に、後輪をつける時間を十分に確保しましょう。慣れると1分で付けられますが、慣れないうちは、装着したつもりができていなかったりします。
ちなみに私は、初めてと2回目のレースでは、後輪を一人で装着する自信がなかったので、つけたままカバーをつけて、事情を話して大きめのタクシー・載せてくれる高速バス・大きめのレンタカーを利用・バイクで移動して、会場へ行き来して出場しました。
初めて後輪を装着できるようになったのは、人生3回目のレース、初めての海外レースのために渡航した先のホテルで、レース前日の昼でした。このチャレンジはおすすめはしません…。
4.乗る公共交通機関に応じた輪行袋を準備し、ロードバイクを収納する
下記の記事を参考に輪行袋を準備し、収納します。
≫遠方のトライアスロンレース出場のための、ロードバイク用おすすめ輪行袋目的別3選!
5.当日、注意して輪行する(輪行上の注意点)
さて、さっそく輪行です。
駅や空港など人通りが多いところを歩くときは、周りの人に迷惑にならないように気を付けましょう。大荷物を抱えていると、知らず知らずのうちに人にぶつかったり、人の邪魔になったりします。
ベンチに座って休憩するときなども、混んでいる場所は避けて、人の邪魔にならないところにバイクを置き、長時間目を離さないようにしましょう。
壁などにぶつけたり、うっかり倒したりすることも無いように、丁寧に扱いましょう。
駅では、エレベーターを利用しましょう。階段・エスカレーターの利用は、きついだけでなく危険です。万が一バイクを落として下に人がいたら大けがをさせてしまいます。
路線バスや地下鉄では、ブレーキで倒れないよう、乗車中はしっかりとホールドしましょう。
6.番外編:こんな方法で輪行しちゃダメ?
輪行は慣れるとなんてことないのですが、慣れるまでは面倒に感じる方もいらっしゃると思います。だから、こんなやり方で輪行しちゃおっかな…という思いがよぎっても、やっちゃダメです!
これらはNGです。前後輪を外し、市販の専用の輪行袋にきちんと収納することが、輪行の条件です。駅員さんや運転手さんに断られます。
≫JR四国:列車内への自転車の持ち込みについて
こちらもやめましょう。はっきりと鉄道会社によって禁止されているわけではないのですが、2017年にNHKで取り上げられ、SNSなどで大きな話題となりました。
≫「サイクルロード~自転車への道」内「自転車ブーム 鉄道への持ち込みは迷惑?」
また、繰り返しになりますがこちらもやめましょう。
チケット料金を払っているとは言っても、やはり、ロードバイク…大人一人くらいの大荷物を抱えて移動するのは、気づかぬうちに周りの迷惑になりやすいです。
例えば、自分が電車を利用していて、仕事などでとても急いでいるのに、目の前に大きな楽器やスポーツ用品を抱えてもたもた歩く人がいると、「さっさと歩いてほしいなあ」と、いい気持ちはしませんよね。
輪行する一人の人が誰かに迷惑をかけると、輪行している人全体に対して「迷惑な人たちだ」というイメージを持たれかねません。
そうすると将来、鉄道会社が別料金を請求するようになったり、輪行NGにしたりする可能性もあります。
モラルを大切に、他の乗客に対する思いやりを持って、輪行を行いましょう。
輪行は慣れるまでは大変ですが、慣れたらとっても簡単で、便利です。トライアスロンレース出場の可能性、サイクリングの可能性が大きく広がります!
入念に準備をして、安全に輪行できるようになりましょう。
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